PDFファイルにはバージョン(規格)管理があり、バージョン(規格)UP毎に使用できる機能が追加されています。
Adobe Acrobat Readerは基本的に下位互換がありますので、PDFを作成する場合、使用する機能を利用できる最下位バージョンで作成することをお勧めします。
PDFバージョン(規格)の概要は以下となります。最低でもバージョン1.4の使用が推奨されます。
バージョン | PDF閲覧ソフト(Adobe社) | 発表年 | 機能追加など |
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1.0 | Adobe Acrobat Reader1.0 | 1993年 | |
1.1 | Adobe Acrobat Reader2.0 | 1994年 | |
1.2 | Adobe Acrobat Reader3.0 | 1997年 | 2バイト言語対応 |
1.3 | Adobe Acrobat Reader4.0 | 1999年 | 日本語フォント埋め込み 電子署名,JavaScript対応 |
1.4 | Adobe Acrobat Reader5.0 | 2001年 | Open trueフォント対応 透明効果,タグ付PDF |
1.5 | Adobe Reader6.0 | 2003年 | JPEG2000,16Bit画像対応 マルチメディアファイル対応 |
1.6 | Adobe Reader7.0 | 2004年 | 3Dアートワークの表示 |
1.7 | Adobe Reader8.0 | 2006年 | 各種機能強化(3Dアートワーク, 注釈機能,セキュリティ) |
1.7 Level3 | Adobe Reader9.0 | 2008年 | 256-bit AES 暗号化 マルチメディア埋め込みの改良 |
1.7 Level8 | Adobe ReaderX(10.0) | 2010年 | 256-bit AES 暗号化の改良 |
PDFフォーマットは、バージョン1.7をベースにISO 32000-1で標準化されています。 | |||
関連規格(サブセット) | |||
PDF/X | 印刷用途に特化したPDF形式(ISO15930で定義されている) | ||
PDF/A | 電子文書の長期保存に特化したPDF形式(ISO19005-1で定義されている) ・PDF/A-1a (レベルA) は、ISO 19005-1完全準拠 ・PDF/A-1b (レベルB) は、ISO 19005-1の一部準拠 |
利用目的に合わせてバージョンを決定ください。以下は参考例となります。
使用するPDF作成ソフトによって利用できるPDFバージョンの範囲は異なりますのでご注意ください。
利用目的 | 推奨 バージョン | 推奨理由 |
---|---|---|
公開文書 | 1.4 | ほぼすべてのPDF閲覧ソフトで表示可能となります |
セキュリティ強化 | 1.7 | 最新の暗号化方式が利用可能となります |
印刷業者など | PDF/X | PDFファイルサイズは大きくなりますが、印刷精度が向上します |
Adobe Reader で開いた場合 |
ブラウザで開いた場合 |
「PDF/A」「PDF/X」は以下のように表示されることがあります |